3CW member project #3 e-to / 神楽坂の飲食店”e-to”の未来を応援したい!
幅広い業界のプロが集ってワークする三茶WORKがオープンして約1年。
有機的なコミュニティが育ち、最近ではメンバー同士で一緒に仕事をするシーンが増えてきました。
このblogシリーズ「3CW member project」ではメンバー同士で実現した仕事をプロジェクトごとに紹介していきます。
3CW member project #3 e-to / 神楽坂の飲食店"e-to"の未来を応援したい!
コワーキングスペースというとIT系の仕事の方が多いのかな?という漠然としたイメージがありますね。実際に、三茶WORKにもエンジニアやwebマーケのメンバーはたくさんいるのですが、同時に建築やデザイン、さらに八百屋業までいるのがおもしろいところ。
力を集結したらお店まで作れてしまうのが三茶WORKの魅力なんです。
今回はそんな「お店」のリニューアルプロジェクトにメンバーが集って携わったお話。舞台は神楽坂で長く愛されてきた温かい一汁三菜の店「e-to(イート)」です。
▲e-toのリニューアルプロジェクトチーム。右からリーダーの千田さん、webデザインやメニューまわりのリニューアルをサポートしたゆかりさん、店舗の内装リニューアルを担当したしばひでさん。なんかJ-POPのジャケット写真みたいな感じですね。
こちらはリニューアル後のe-to。植栽に囲まれたガラス張りのドアがさわやかで明るい印象ですね。
こちらはリニューアル後の昼の定食。美味しそうだし綺麗...!!
さてさて、こちらのe-to、どのような経緯でリニューアルすることになったのか?今回もインタビュー形式で聞いていきましょう。
今回は三茶から少し離れて神楽坂が舞台。なぜ神楽坂の飲食店「e-to」のリニューアルを引き受けることになったんでしょうか?
出資先の社長の紹介がきっかけだったんですが、その方もよく行く好きな店ということと、e-toは店内でデリを売りながら使用している野菜も販売しているオーナーの江藤さんの考えにシンパシーを感じました。僕は三茶で「
三茶ファーム」という八百屋業をずっと営んでいるんですが、同じような志を持っているのを知って、「ご縁を感じたら仕事を作る」というのを普段から大事にしているから、ごく自然な流れでお手伝いに入ることになりました。
ふむふむ。江藤さんの考えにシンパシーということですが、江藤さんご本人はどのような方なんですか?
以前はブライダルの引き出物などで器を取り扱うお仕事をされていたんですが、ご主人と出会い、2014年に器と野菜のお店「e-to」をスタートされたんです。ですが残念なことに、2017年にご主人が急逝されて。その後お一人で一生懸命営みながら、始めた料理が評判になって、器と野菜だけでなく、定食が話題のお店を作っていました。
器と野菜だけでなく、料理までお一人でまわすとなると大変ですね。
そう、それで経営まで手がまわらなくなっていたところ、コロナ禍の影響もあって相談いただいて。僕が経営を引き受けることになったので、今後もe-toが長く愛されるお店になるように、諸々リニューアルしようとなりました。
自分の強みでもあるので、まずはweb面を強化したいと思って。リテラシー高くて、女性が好きなものへの感度が高い人を探していたら、あれっ三茶WORKのコミュマネのゆかりさんがぴったりじゃん!となって。笑
わたしは前職2社がIT系の会社でwebサービスのディレクションとかコンテンツの制作をしてきた実績があったし、ちょうど友人と千葉でピーナッツカフェをやりたいねとカフェにも興味をもっていた時期でした。
そうそう。さらに、場の雰囲気もアップデートしたくて建築士のしばひでに声をかけました。(しばひでは三茶WORKの運営メンバーで設計担当です!)そんなに予算がなかったのだけど、メンバーが決まったら気軽に仲間内でやるというのが楽しくなってきました。
ふむふむ、いいですね〜。ゆかりさんは今回リニューアルをディレクションするにあたってこだわったことや、プランしたことってどんな感じですか?
今までは自社事業の会社に勤めていたので、社内にすべてのリソースが揃っている環境でしか仕事したことがありませんでした。個人で外のお客さんとご一緒するなんて初めてだったし、飲食店に関わるのも初めて、プランしたことも実行するのは現場の方というのでけっこうドキドキしました。
でもブランディングやwebデザインは元々やってみたいなと思っていたし、あまり経験がないけど思い切ってチャレンジさせてもらったんです。
現場の人に動いてもらうことの難しさです。積み重ねてきたものがたくさんある方に対してプランを立てるのは簡単だけど、人に動いてもらうのってすごく難しい。それで、まずは江藤さんのこれまでの歩みをヒアリングする場を持ちました。どういう思いでこれまでやってきたのか、どんなことにチャレンジしたけど難しかったのか、そういう想いを消さない形でコンセプトを立てました。新しいものを作ったというよりは、江藤さんがやってきたことを整理したという感じです。
そういえば吉田さん(三茶WORKの代表でコンサルタント)にもこういう仕事をどう進めるか相談してたよね。
吉田さんは「うーん、まあ、聞くことだよね」てあの調子で言ってましたけど、その通りでした。
だよね。笑 リニューアルは、具体的にどんな風に進んで行ったんですか?
コンセプトを整理して、それからweb制作、SNSの施策、撮影...と進めていきました。お店がもともと器も定食も野菜も扱っていて何のお店か分かりづらくなっていたので、まずは何の店?と聞かれた時に「一汁三菜のお店」と答えられるよう定食を中心にお店作りをしていきました。
具体的には器は期間限定の販売のみにして、野菜と調味料の棚は少し残して規模は縮小。定食とデリに絞ることでわかりやすくしました。
まず内観ですが、入ってすぐごちゃついている印象があったので、すっきりさせることに注力し、さらに増席をしました。
予算がない分、インパクトは何か一点だけ持たせようと思って、印象的な色を採用しました。神楽坂の和の雰囲気と、江藤さんの女性の雰囲気を融合させた「明るいあずき色」かなということで、この色にしました。
この色すっごくかわいくて、女子ウケ良さそうですよね。
この色を使った看板や壁のおかげで、若い女性の客層、確実に増えていると思います。
どんな雰囲気の空間で食べるかって重要なんですよね〜
あと外観ですね。e-toは裏通りなのに人通りが多い道沿いなんです。それで視認性を高めようとしました。元々外観は建設当時のままだったので手を加えて良いかの交渉からでした。撤去できるなら良いという許可が出たので木を貼るのが無理なく効果的かと思いました。ナチュラルな雰囲気でオーガニックな飲食店の雰囲気が出ると考えました。あとはもともと植栽の位置が入りにくいポイントにあったので、移動させて、玄関のガラスを全面張りにして見通しを良くしました。
女性は内装の変化をインスタで見て、男性は外観で中が食べ物屋さんだと認識して入ってくれるようになりました。
リニューアル後の変化は結果的にすごく良くて、まとめると「行列ができた」「予約が増えた」て感じです。
すごいじゃないですか。その後も、継続的にミーティングは重ねているんですか?
そうですね。現場は変わらず江藤さんがまわしてらっしゃるので、定期的にお話を聞きながら、その後のオペレーションの改善などをお話ししています。飲食店を営んでいるのと、日々忙しすぎて、問題点に気づいていても通り過ぎてしまいそうだけど、こうして私のような外の存在と話すことが客観視になり、お店のためになったら何よりです。
飲食店のリニューアルという、三茶WORKではそんなこともできるのかという話が聞けましたが、ちださんはもともと飲食店には興味がすごくあったんですよね。
そうです。野菜を取り扱う仕事をずっとしてきたけど、食の仕事にもっと取り組みたいと思ってて。いま三茶WORKの中でやってるsanchafarm.CHAYA(三茶WORK3Fの茶やはちださんが営む三茶ファームが土日、一汁三菜を出している)以外にも三軒茶屋でやってみたいなとひそかに考えてます。やっぱり定食がいいなあ。
定食いいですねぇ。三茶ってほんと、ふつうに当たり前においしい定食屋が長続きしないんですよね。
ほんと、ごはんと味噌汁がおいしい定食屋が三茶にほしい。
三茶ファームの今後にも期待しててね!そのときはぜひ、ゆかりさんとしばひで、一緒にやりましょう。
Photography : Masako Nagano
Interview & text by Shizuka Kobayashi (Sanchawork community manager)
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Management : Hirokazu Chida
Direction : Yukari Yokoyama
Store design : Hidehiro Shibayama (Shibayama Architects)
Logo design : Koji Nishida (nirnor inc.)
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e-to / 奥神楽坂のホームメイドデリカテッセン
住所 東京都新宿区矢来町138 ムカサ第一ビル 101
電話 03-6457-5009
Instagram @e_to1952
web:https://e-to.tokyo/
営業時間:午前11:30 〜 午後18:30
定休日:金曜・日曜
アクセス:東西線 神楽坂駅 矢来町方面改札より徒歩2分