三茶WORKの作り方「創」編/後編〜本気で遊び妄想を実現する創り方
新シリーズ「三茶WORKの作り方」について
先月からスタートした三茶WORKblogのニューシリーズ「三茶WORKの作り方」。これはどんなプロセスに関してもオープンにし、関わる人みんなでその過程を楽しみながら作り上げていくことを大切にしたい!という思いから始まった企画です。
そんな三茶WORKの作り方の特徴の一つが、個性豊かな人を分け隔てなく迎え入れ、みんなの妄想を形にしていこうと運営も会員も境い目なくコミュニティを作っているところです。
そんな「三茶WORKの作り方」も最終回。いよいよ「創」編の公開です!
先ほど色の話を色々お聞きしたんですが、三茶WORKって素材の使い方も面白いですよね。3Fは床のざらざらとかまるでインドだし、4Fやはなれも雰囲気違うし。
色については先ほど言った通り、3つの茶の色から始めたんですけど、まず3Fに関しては静香さんがやるeatreat.のカフェを入れるってことが決まっていたのでなんかインドとかスリランカの雰囲気を出したかった。僕もスリランカ旅行から帰って来たばっかりだったので、スリランカにかぶれていて。ジェフェリー・バワみたいにしたい!みたいな。笑
それもあってしばしゅうが「じゃあ壁を赤くしよう」とか言い始めて。あれはえー?!て思いましたけど。笑 びっくりしてたらしばしゅうが「大丈夫」て言うからそれで進めて...3Fは元々の壁とか床の質感が独特だったので、そのざらざらに対してキッチンの壁はツルツルにしたり、しばしゅうがいろんな素材を持ってきてくれて、合わせながら決めました。
なんか私もキッチンができる想定の場所に立たされて、後ろに素材のサンプルを合わせて「ああいいねいいね」とか言われて
「ああ映える映える」とか言ってね笑そんな感じで、3Fはほんと攻めた空間になりましたよね。他にないよねこんなところ。
でも不思議ですよね。赤とか色の名前だけ聞くと落ち着かない印象だけど、3Fってすごい落ち着きますよね。
あとはここに集まってるセンスですね笑そんなこんなで、昨年コロナきっかけもあって、もう一つのワークスペース「はなれ」を作りました。
2020年11月オープンだよね。結構タイトだったけど、いつから取り掛かったんですかね。
夏頃かなあ。その時も、お茶から想起して作りました。最終的には「フォレスト」ていうキーワードに落ち着いて、コロナでみんな自粛しているから自然を感じられるワークスペースにしましたと話してますけど、あれ実は「抹茶の色」て僕言ってたんですよ。
Photography : Daisuke Shima
落ち着きますよね。はなれはしばひでがメインで設計しました。めちゃめちゃDIY頑張ってくれたしね。
DIYといえばしばひでさんみたいになってるけど、本当はDIYの人じゃないからね笑
ね、立派な建築家ですからね。はなれについても、しばひでとしばしゅうがいろんな素材を持ってきてくれました。これとこれ合わせたらいいんじゃない?て言いながら、チップを合わせて空間を見るとか、そんな決め方にしました。塗料についても「これまで使ったことない塗料にしよう」て言いながら。たまごの殻をパラパラかけたような床の遊びにしたり。壁も海外の塗料を使ったりして、派手なのに落ち着く色合いに纏まりました。塗料も塗料専門の会社に行って新しいやつ出してもらって「おおー!」とか言いながら。
ワークボックスも含めたら、すごいたくさんの色や素材を使ってますよね。
そうそう、はなれはワークボックスもポイントですよね。しばしゅうが設計した新しい電話ボックスみたいなのを作ったんですよ。はなれに関しては、コロナもあったので普通はどれだけ仕切るのかというのが焦点になってくるんですが、僕らはそれだけじゃなくて自然の感じをどれくらい取り入れて遊べるかにチャレンジしました。
Photography : Daisuke Shima
色も素材も塗料も思い切り遊んでいるのがいいですよね。
もう自由すぎて、本当にかっこよくなるか実は内心ドキドキしてますけどね笑
そうなんですね。でも結果かっこよくなるのがプロってことですね。
もしこれがクライアントワークだったら、ちょっと提案は難しくなるかもしれない。あくまで実験なんですよね。
はなれに関しても、コロナ禍だからソーシャルディスタンスを考慮しよう。これだけ仕切ろう。とか普通に当てはめれば簡単な型ってきっとあるんだと思うんですけど、テンプレートって三茶WORKには全然ないですよね。
普段やってるブランディングの仕事だと、だいたい「テンプレート作ってください」て言われるのが普通になりがちなんですよ。
そのテンプレートがあると、その後の空間全体のデザインが作りやすくなるって言うのはわかりやすくなるんですけど、それもあってコワーキングってどこも同じような感じに見えるんでしょうね。でもそういうテンプレートを作っちゃうと、なんか実験ができなくなりそうだなと思って。広がりがなくなりそうというか。
三茶WORKでも一応、テンプレート作ってくださいとか言われてたんでしょ?
そうですね。バナーとかチラシとか、テンプレートありますかー?て。でも「いや、、つくらないっす」て。その代わり「作ってみてください」て言ってました。テンプレート作っちゃうと、それだけが展開されていくのが面白くないので。今もいろんなチラシをそれぞれが作って貼ってるのをみて「あ、新しいのができてる。面白いなー」て見てます。
いや内心みんなドキドキしてるんだよ笑土屋さんはどう思ってるんだろうって。。
直す必要があるんだったら直すので、まず作って貼っておいてもらって、使いながら直せばいいんですよね。
会員さんそれぞれが挑戦できる、発信できる場って面白いですよね。僕もそうだし、会員さんの中でも「普通のコワーキングじゃないな」ってなんとなく感じているのはこういうチャレンジの場があるからじゃないかな。
三茶WORKにも「三茶WORKみたいなコワーキング作りたいです」て相談が来るんですよ。コワーキングだけじゃなくても「三茶WORKみたいな雰囲気で運営するのってどうやるんですか」とかも聞かれます。デザインもそう。「人が集まった空間で、その場らしいものが欲しいです」て言われるんですけど、その場にいない僕が作ったら、その場らしいものにはならないですよね。「みんなで作っていく」ていうのを大切にしたいなら、そこにいる人たちが試行錯誤して作っていくのが一番いいんですよね。地域のらしさって「人」でしかないから。
その「らしさ」を出すとき、やっぱり実験できないと面白くないですよね。それは「失敗できる空間」なんですよ。三茶WORKは「実験したい」を大事にしてて「失敗しても大丈夫」て思ってるから色々チャレンジできたっていうのがポイントなんですよ。
昨年のエイプリルフールの遊び。思いついたが吉日、その日のうちに撮影し仕上げた
このpodcastとかもそうですよね。関わっている人は音声メディアのプロばかりじゃないんだけど、実験しながら作ってるのが素晴らしいです。
最近の三茶WORKの動き見てると、ラジオやって、YouTube作って...面白いんですよ。簡単に作ってるように見えて、めっちゃ目が真剣なんですよ。
三茶WORKのすごさは、ビジネスモデルとかこの空間がすごいっていうより、ここに集まってる人がすごいんですよ。ここに集まってる人たちは、それぞれの本業はプロで玄人かもしれないですけど、三茶WORKで始めている新しいことに関しては「素人感」がありますよね。これまで色々な経験を培ってきたけど、ここでは新しいことにチャレンジしたい。実験したいってやってるんです。だから面白いことが生まれる。失敗してもいいからっていうのが前提にあるんですけど。
今三茶WORK見ていて、今が一番、みんな楽しそうですよね。静香さんが一番楽しそうだけどね笑
のってきてるよね。結構やりたいことできてるし。しかもちゃんとクオリティが高い。
仲間が集まってきたからたまたま実現しただけですけどね。やりたいって言って面白かったら人が集まってくるのが三茶WORKの良いところです。そんな予算かけているわけじゃないのにね。
最近盛り上がっている三茶WORKのメディア三茶WORKのメディア作り。
これは土屋さんデザインによる新番組「CHIDA-EYE」ロゴ
みんなそれぞれの分野に関しては玄人ですよね。そしていい大人。Podcastについても、それぞれ個人でやろうと思ったらできちゃうじゃないですか。でも、一人じゃなくて、三茶WORKというプラットフォームに乗っかってやってるから、もう3ランクくらい面白く、さらに自由にできてますよね。
アップデート感がすごいですよね。今日もふっきーさんに収録をしていただいてるんですけど、なんか新しいマイク用意されてて。笑 みんな真剣すぎて、もうすごいです笑
大人の本気ってすごいですよね笑素人ながら本気でやってるのが大人の青春感あっていいですよねぇ。大人と子供の違いってなんなんでしょうね。僕今、36歳なんですけど、昔描いていた36歳てもっと大人だったような...こんなに子供のままでいいのかなって思ったりもします。
大人になっていくと、経験値が重なっていく。経験値って失敗しないようにする「上手いやり方」な気がするんですよ。でもそれってうまくまとまっちゃうんですよね。あまり面白くなくなる。だから青臭く、コロナの澱んだ空気の中でもそれを吹き飛ばすように新しいことにどんどんチャレンジしていっていいんだていう感じが三茶WORKの中には流れてますよね。
私は文化祭やってる気はないんですよね。本気でやってるから。みんなの共通点は「天邪鬼」であるところ。top of 天邪鬼が土屋さんなんですけど、私も負けてないかな。真面目にアーユルヴェーダの仕事ばかりしてると、ムズムズしちゃうから、ちょっと余白を持たせないと自分を保てなくてこういう遊びを本気でやってる。どっちも真剣にやってるんですけど、それはいい意味で素直じゃない人が多いからそういうアプローチができるんですよね。
僕もヘアメイク含めて仕事でチャレンジしていきたいと思ってます。ヘアメイクの仕事って、仕事によりますけど、一瞬かっこよければそれでいいんですよ。1時間保たせる必要もないし、、、一方で、土屋さんは長い目で捉えてデザインを考えているから、考え方自体が僕と違うかなって興味を持ってます。
企業のロゴとかブランディングは長い目で...とか考えますけど、どうかなあ
土屋さんの頭の中ってのぞいたことないけど、んー!て考えて、バーン!て爆発してデザイン生まれてる感じするよね笑 もちろんその前に丹念な努力と試行錯誤があることはちょっとは理解できてると思うんですけど、最終的にデザインが生まれる時は宇宙誕生くらいの勢いを感じるというか。
STの短距離走的なヘアメイクの仕事とそれほど変わらないのかなって思いますけど、どう作ってるんだろう?
どうなんだろう...爆発感あるかもしれないけど、実はすごい真面目に準備しますからね。笑 今日のラジオも予め何を話すか書き出したりしてて。
いや、ほんとこのメモすごいですよ...横にいて僕恥ずかしくなりました笑
そういう努力がどんどん溜まってきて、たまに爆発してるんでしょうね笑
よく二人とも「もっと爆発したい」て言ってるけど、具体的にどういうことなんだろうね?
爆発っていうのは僕の中で端的にいうと「チャレンジ」なんですよね。普段しないなってことを逆にやっちゃう。型にはめず、後から「よく俺これやったな」て思えるような。そういうことやる時って「やってやるー!」ていう気持ちがないとできなくて、その強いパワーが爆発ですね
やってやるー!て気持ちがないと新しいことにチャレンジできないですよね。爆発というと、何か一つしでかす印象があるけど、生み出すだけじゃなくて、変化し続けたいんですよね。三茶WORKもどんどん人も入れ替わって新しいことにアップデートされていくと思うので、今後もそういう変化が続いていくといいですよね。ラジオも多分、静香さんがどっかで飽きると思うんですけど笑 新しい人を巻き込んで、これを楽しみ続けることができれば、変化が続いていくと思います。
デザインとかブランディングって綺麗に整頓して、まとめて「守る」イメージがみなさんあると思うんですけど、こういうコミュニティでできているところって、人間臭さが出てくると面白いなと。いいところも悪いところもありますけど、人らしさが変化を生み出すのがコミュニティの核なんじゃないかと思うんですよね。
三茶WORKには、長らくキャッチコピーとかコンセプトワードとか、なかったんですよね。ある日「自分たちのまちで妄想を形に」て言葉が生まれたんですよね。
少しずつコピーはアップデートしながら作ってきましたね。
昨年の未来会議(三茶WORKのこれからを運営と会員さんひっくるめてみんなで考える定例会議。四半期に一度くらい催される)で、僕正直三茶WORKが楽しくなくなっちゃって。「つまんねーな」て。
土屋さんもそういうことあったよね。今は楽しそうにしてくれてるけど。
コロナもあってコワーキングていっても人来ないし。僕は、別に事務所あるしな...て。そんな中の未来会議で、もうすごいふざけた資料を作ろうと思って「みんなで妄想しよう」ていう提案を持っていったんですよ。その頃くらいまではブランディングとか、コピーとかも、本当にいいなって思った時に決めることにして、無理に決めなかった。
そうだね、無理くり言葉に落とし込んで、そこに自分たちを合わせて行かなくてよかったよね。「妄想」て言葉が生まれてから、ようやくみんな楽しくなったんだよね〜話しやすくなった。何言ってもいいんだって気持ちになったんでしょうね。
妄想っていうと、あ、こんなんでいいんだって思わせる雰囲気がある。失敗してもいい。一番の理想を語ろうって言えるというか。
妄想語りが楽しくなりすぎて、肝心なことは誰かがやってくれるんじゃないかってなりがちだけど笑笑
もっと会員さんとか、まちの人たちにも妄想を語って欲しいよね。
あ、今年のエイプリルフールに
「妄想新世界」ていうのを作ったんで、書き込んでください。笑 妄想の神様が一言返してくれますからね。
これを書いてください!ていうのを締めの言葉としてお届けして、終わりにしましょうか。
そうですね!みなさんぜひ、自由に妄想を書き込んでください〜!ありがとうございました!
妄想の神様の一言もお見逃しなく!ありがとうございました!