縁楽起技菜
青森市生まれ。三軒茶屋在住17年。月間ユーザー1,000万人のWebマガジン「SAKIDORI」を創業し、2017年にビックカメラに全株式を売却。現在は結婚式のWeb招待状サービス「Weddingday」や、自由が丘のベーグル専門店「JUNO」など複数企業の経営を行う傍ら、自身の経験をもとにエンジェル投資も行っている。三軒茶屋では、2013年より八百屋「三茶ファーム」を運営。三茶WORKでは、立ち上げから事業戦略・IT面を担当。
縁楽起技菜
「三茶ファームの千田さん」。三茶WORKではそんなふうに紹介されることの多い千田さんですが、実はいくつもの会社を経営し事業立ち上げに成功しているやり手起業家。以前は某大手メーカーへエンジニアとして勤めていました。
ところが10年働いたところ、「ITに飽きちゃって」と複数の会社を起業、そしてなんと八百屋を始めます。
数々のITサービスを立ち上げながら、八百屋、時に農家としても手を動かしながら、「地域」や「食」をキーワードに活動を展開していきました。
そうして7年前に三軒茶屋の三角地帯にオープンしたのが三茶ファームです。
三茶ファームは、有機野菜や自然栽培の野菜などを販売する八百屋で、三軒茶屋の三角地帯、エコー仲見世商店街にあります。店に並ぶ野菜は全て千田さんたちが選ぶ農家から直接仕入れたもの。その時期ごとのおすすめ野菜や調理法など、野菜に関する情報が集まっているのも魅力。店頭で作られるスムージーも人気です。三軒茶屋に根を張り7年以上、すっかり街の人々のインフラ、交差点となっています。
ここ三茶WORKでも、「sanchafarm.CHAYA」として土日限定で一汁三菜定食やおやつを提供しています。
千田さんは三軒茶屋で三ヶ月に一度開かれるSUNDAY MARKETにも携わっていて、開催日には三茶ファームのブースに立っています。
まさに三茶の暮らしに寄り添い、まちを盛り上げている当事者なのです。
一方で、経営する会社で手がけるITサービスは、モノ選びをサポートするWebマガジン(「SAKIDORI」)や結婚式のWeb招待状サービス(「Weddingday」)など、自身の「こんなサービスがあったら良いな」という発想が出発点。他にも農業ビジネススクールやコワーキングスペースの運営を手がけるなどしていますが、彼の仕事は「自分と周りの暮らしがもっと良いものになったら」という思いに基づくという点で全てつながっているのです。
「これまでの仕事も、三茶WORKの立ち上げに関しても、全てはみなさんとのご縁とタイミングのおかげで感謝しています」と言いますが、そこには千田さんの腕への信頼と人望の厚さが伺えます。
そんな千田さんは三茶WORKを通じて、「より暮らしを良くしていくことがやりたい」と話します。
「コミュニティが持つ力ってとても大きい。住む家探しや食のこと。些細なことでもここが発信源になっていったらと思います。ローカルの良さももっと探していきたいですね。
また、インキュベーションの観点から、三茶の良さを生かしたビジネスがもっと生まれていったら面白いよな、なんて考えています」。
インタビュー:2019年11月時点
Photography:Tomohiro Mazawa
Interview&Text:Viola Kimura